山椒の会 伝言板「かきかき」

出版伏流水「山椒の会」のメンバーおよびその周辺の人たちが書きたいことを気ままに書いてゆきます。よろしかったら、お付き合い下さい。
<< June 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
「門外不出」が門を出た
 いま戦国史料『武功夜話』の影印本を作っている。この本は江南市の吉田家に秘蔵されてきたもので、同書の各巻には「此の書貸出の儀平に断るべし」「貸出無用之事」などと書かれている。戦国から江戸初期に生きた吉田孫四郎が21巻を書き、目が見えなくなってからは娘の千代女に口述筆記させた「千代女聞書」8巻、全部で29巻から成っている。

 同家の吉田蒼生雄氏により、すでに“全訳”で活字化された。新人物往来社から出版されるや異例の大ヒットとなったが、それだけにまた異論や反発も出されてきた。最も心を痛めたのは“偽書”とする批判で、それらの多くは活字本からの揚げ足取りのようなものだった。

 これだけ広く知られるようになった以上、原文そのものから検討・検証される必要がある。吉田さんは活字化に気の遠くなるような努力をされたが、このほど門外不出とされてきた同書の公開を決心された。吉田さんの話によると「村(前野村)の分家にも見せてこなかった」というほど、これまで極秘にされてきたそうである。

 影印本が出れば、研究の対象になる。専門家の間からは「興味はあるが、活字本だけでは研究材料にし難い」との声もあった。原文そのものが影印でも見られることとなり、これによって各方面からの研究が進むことを願っている。

 吉田さんが公開を決意され、当店から出させてもらえるのに感謝したい。これほどうれしいことはない。前途多難ではあるが、何が何でも完結にまで持っていきたい。
- | 09:03 | - | - | - | - |

(C) 2018 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.